01 OUR VISION いのちのために

代表取締役 駒津 慎

新規事業への想い

明和製紙原料は、70年以上、古紙を再生資源として回収し、紙としてリサイクルする事業に携わってきました。古紙のリサイクルシステムによって、森林資源の浪費を防ぎ、人類が地球上で快適に暮らす環境をつくることが、我々の事業の意義だと考えています。
昨今、人口増加や環境汚染によって、地球が限界に近づいていると言われています。この地球を持続可能な状態にするために、2015年に国連サミットでSDGsが採択され、世界中の事業者がその実現に向けて行動を始めています。

明和製紙原料は、「人類が地球上で快適に暮らす環境づくり」の事業領域を拡張することで、SDGsの実現に貢献したいと考えます。1つ目は、古紙を活用した地盤固化技術で、自然災害による被害を抑制する事業を推進しています。2つ目は、気候変動を抑制するために、古紙を活用した新しい素材を開発することで、CO2排出量を削減する事業を推進しています。3つ目は、世界人口100億人時代に、肥沃な土が失われて食糧不足に陥る可能性のある地球において、古紙を活用した土づくりで食を守るための事業を検討しています。古紙という「再生資源」を「都市資源」として地球のために活用することで、人類が地球上で快適に暮らす環境づくりに貢献します。

また、世の中には、現在は無価値なものとみなされていても、視点を変えると価値のあるものがたくさんあります。地球上に存在する無価値なものを新しい資源として活用することで、社会課題の解決にも挑戦しようと考えています。
明和製紙原料は、新しい事業を通じて、未来を生きるいのちのために、行動しています。

古紙を起点にした新規事業

70年以上の歴史を誇る明和製紙原料は、古紙を活用し、社会に貢献する新しい取り組みを始めています。

昨今、日本の古紙を取り巻く環境は変化しています。海外の古紙需要減少などの影響を受け、古紙の在庫は飽和状態、つまり「古紙余りの時代」に入りつつあります。「古紙余り」による古紙の価値低下は、日本の古紙リサイクルの仕組み自体を崩壊させかねません。この仕組みを持続可能にするためには、古紙の新しい用途開発が必要です。

明和製紙原料は、古紙を「都市資源」と捉えています。「古紙は、植物由来の繊維である」という特徴を生かし、余剰古紙を世界の社会課題解決に活用したいと考えています。

1つ目の古紙の新しい用途開発として、自然災害の被害を抑制する事業を推進しています。例えば、古紙と微生物を活用した地盤固化技術の確立によって地震による液状化現象を抑制したり、あるいはその地盤固化技術を、大雨による様々な被害を低減するために応用します。

2つ目は、気候変動を抑制するために、CO2排出量を削減する事業を推進しています。例えば、古紙を材料に新しい素材を生み出し、石油化学品の使用量削減に貢献したいと考えています。また、古紙という都市資源を活用した技術で、地球にやさしいコンクリートをつくったり、古紙と微生物を活用した地盤固化技術を課題の多い泥炭地で活用して、周辺のより良い生活づくりに貢献します。

3つ目は、世界人口100億人時代に、肥沃な土が失われ、食糧不足に陥る可能性のある地球で、食を守るための土づくり事業を検討しています。

古紙を「植物由来の繊維」として捉えれば、その用途は広がっていくと考えています。古紙という「都市資源」を活用した新しい取り組みが、日本の古紙リサイクルの仕組みを持続可能にするだけでなく、人類が地球上で快適に暮らす環境づくりに貢献できると信じ、明和製紙原料は行動します。